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古レール JR 東海【浜松工場】

なるほど古レール発見デー。

2009/08/17 公開。

概要

JR 東海浜松工場は同社保有の新幹線全車両の検査及び一部の在来線車両の検査を行う車両工場である。同工場では毎年夏に『なるほど新幹線発見デー』と題して一般公開イベントを開催している。

同工場の歴史は古く、1912 (大正元) 年に鉄道院浜松工場として創設され、現在まで 90 年以上に亘って工場として稼働し続けている。

鉄道趣味人ではあるが主に鉄道の歴史や構造物を主に訪ねる私としてはこの手のイベントは積極的には参加しないほうであるが、2007 年に N700 系のデビュー直後ということで参加した。

このような経緯で同工場を訪れたため、多くの展示車両や N700 系車両の車体上げ実演を見てみたいという思いでイベントに臨んだ。しかし、かつて火力発電所や石油プラントに出入りしていた身としては『工場』そのものも何気に気になる観察対象である。

そんな中、工場らしく何かの配管が敷地内の道路をまたがっている部分の支持構造物に古レールが使用されていることに気付いた。よっしゃとばかりに調査を開始したが、肝心のカメラのバッテリーを自宅に忘れるという大失態のため、イベント撮影のため持参したビデオカメラによる静止画撮影となってしまった。

また、時間的制約もありほんのわずかしか調査ができなったため、報告書としてはいつも以上に内容の薄いものとなるがご容赦願いたい。

調査日:2007/07/22

調査結果

架構

同工場で発見した古レール構造物は冒頭で述べた通り何かの配管が敷地内道路跨ぐ箇所の支持構造物である。何と表現したらよいのか分からないのでここでは配管架台と呼称することとする。

この配管架台の架構は驚くほどシンプルであり、普段目にする駅ホーム上屋とは似て非なる印象である。このような多くの人が行きかう中で一人全く違う次元の対象にカメラを向けていると不思議な顔を向けられる。また、なるべく他人の顔を写さないようにしたためこのような半端な写真となってしまった。

JR 東海【浜松工場】配管架台古レール架構

曖昧な記憶では画面右側も同様の架構であったと思うが、どれくらいの長さにわたってこの配管架台が続いているかを確認することはできなった。

刻印

今回発見した刻印は以下の通り。機材や時間の制約からわずかな調査のみとなったのは冒頭に述べた通りである。

No 刻印 場所 備考
1 BV&CO LD 1902 I R J 配管架台 イギリス ボルコウ・ボーン社 1902 年製造 鉄道局発注
2 UNION D 1903 I.R.J. 配管架台 ドイツ ウニオン社 1903 年製造 鉄道局発注

No.1

JR 東海【浜松工場】配管架台古レール刻印

No.2

JR 東海【浜松工場】配管架台古レール刻印

総評

旧国鉄の車両工場の中でもとりわけ歴史のある箇所については今回の浜松工場に限らず古レールによる構造物が存在するのではないだろうか。一般の旅客が利用する設備である駅でさえ盛んに古レールが用いられてきたことを考えると実用本位である工場内ではさらに違和感がないように思える。

しかし、工場という側面からみると実用本位だからこそ構造物の劣化や設備の陳腐化に伴い多くが人知れず失われているかも知れない。またこのような車両工場は今回のような公開イベントでなければ我々一般人は立ち入ることすら不可能であるため、なかかも調査も難しいのが実情である。

本報告書は情けない理由により極めて内容の薄いものとなってしまったため、同工場への古レール調査は是非ともリベンジをと息巻いているが、そう思い続けてはや 2 年が経過し、今年も同イベントは終わってしまった。

古レールに関して同工場が紹介されているものを Web でもあまり見かけないため、勇んで紹介したいところだが、しょっぱい結果となってしまった。本報告書をご覧の方で同工場の古レールに気が付いた方は是非とも Web で紹介してほしい。他力本願と思いたいが参考とさせて頂き将来のリベンジに備えたい。

なお、冒頭でも触れた通り同イベントの様子をビデオカメラで撮影しているので興味のある方は以下の共同撮影者が公開している動画をご覧頂きたい。

参考文献等


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